障がい者雇用の実態を勉強するために、
会派全員で株式会社キルトを訪問させていただきました。
最初は、豊中市伊丹市クリーンランドにあるリサイクルセンターで
実際にお仕事をされている様子を見せてもらいました。
リサイクルセンターでは、プラスチック容器包装を分別する作業と
ペットボトルを分別する作業を行っています。
コンベヤーに乗って流れてくる大量の廃棄物の中から、
プラスチックやペットボトル以外の不純物を取り除く仕事です。
大型の扇風機が回っているものの、30度を超える室温に加え、
プラごみに付いている食品の残りかすなどの臭いもする大変な職場。
「1時間作業して15分休憩」を繰り返すそうです。
担当者の方は、「普通の人なら務まりません。彼らの集中力があってできる仕事です」
とおっしゃっていました。
プラごみを出すときにも、少しでもきれいな状態で出さねば、
ペットボトルもちゃんとラベルとキャップを外さねば、と思います。
障がい者の方も就労条件は、一般の方と同じ。
時給950円の日給月給ですが、正規職員なので、
社会保険にも加入していますし、もちろん有給休暇もあります。
お休みをしないでお勤めすれば、1か月13万円程度のお給料になるそうです。
現在働いている方は、知的障害のある32名。
2012年の稼働以降、ご自身の体調不良などで辞められた方は6名。
空きが出れば、ハローワーク等を通じて求人しますが、
現在のところは定員を満たしていますので、募集はありません。
株式会社キルトが展開しているもう一つの事業が「スクールキルト」。
特別支援学校などを卒業した若者が、一般就労を目指して、
自立訓練と就労訓練をする場です。
スクールと名前が付いてますが、学校教育法上の学校ではなく、
福祉事業の枠内での学びの場です。
一般の人が、高校を卒業したら大学へ進学して就職するように、
ここで4年間学び、社会性を身に着け、就労準備をして、社会へ出る。
そういう場です。
1,2年生は、コミュニケーションや基本的な社会生活全般の講座が中心。
3,4年生では、就労準備や実際の就活も入ってきます。
体力アップのクラスや調理実習もあり、クラブ活動もあるそうです。
高校を出たらいきなり就職、ではなく、
丁寧にゆっくりと社会へ出ていく準備をする「学校」です。
でも、福祉事業所ですので、利用料は個人の所得に応じて決まり、
通っているほとんどの人が、
校外学習や実習の材料費などの実費以外の自己負担はないようです。
障がい者の雇用の場も、スクールキルトのような学びの場も
もっともっと必要です。