昨日の伊丹市長選挙と宝塚市長選挙。
伊丹市は、藤原さんが5選目を果たし、宝塚市は山崎さんが初当選を決めました。
伊丹市長選挙は、60代男性3人の立候補であったこと、
多選批判はあちこちで聞かれたものの、
やはり現職が強いだろうという雰囲気もあり、
投票率は34%と低調でした。
争点となったのは、何だったのか?
川井田氏は、新庁舎の建設一時ストップと規模の見直し、
新統合病院の再検討を掲げて、12000票を獲得されました。
すでに工期を半分過ぎている庁舎工事はストップが難しいこと、
新病院は、高度な医療が身近な市内で受けることに繋がる、
という理解が市民の皆さんの中に多くあったということと推測します。
共産党の加柴さんは、伊丹市独自財源による、
上乗せ・横出しの福祉の充実を訴えておられました。
医療も給食費も保育料も市のサービスがすべて無料になれば
それは嬉しいのですが、財源はどうするのか?
ハードの整備には国の補助もありますし、起債を発行することもできますが、
福祉サービスの無償化にはそれはできませんから、
市税収入を充てるほかはなく、今ある他の事業を削る必要があります。
そこに「?」を感じた方が多かったのかもしれません。
もし、この3人に加えて、40代、あるいは50代の女性候補が出れば、
選挙はもっと盛り上がったと感じます。
もしかしたら、宝塚市長選挙と連携して、当選もあったかもしれません。
女性候補が出るなら、今回が最大のチャンスだったのに、
とちょっと残念に思っています。
今回の藤原候補の訴えの中に、重要なフレーズがありました。それは、
「近畿中央病院の跡地に回復期病院を誘致します」という言葉でした。
市で建てるわけにはいかないので、民間病院に来ていただくのですが、
それとて医療ニーズがあり、ペイできるならば、自発的に来て下さるのを待つ、
という答弁が委員会等では聞かれました。
それが、はっきりと「誘致する」と訴えられたのです。
これは、共産党の加柴さんがおっしゃっていたのを受けて、
争点としないために出た言葉かもしれませんが、
市民の皆さんは公約と受け止めたでしょう。
市長がこの言葉を選挙中に出されたことには、
共産党のアピールが呼び水になったのかもしれません。
南部の皆さんが、「(近畿中央病院のような)総合病院を!」
と望んでおられる規模とは違うかもしれませんが、
市が責任をもって病院を誘致する、ことをお約束されたのです。
これは大きな公約だと感じました。
5期目ともなると、たぶん今期が藤原市政の最後の4年間になるでしょう。
巧みな財源確保力を盾に、様々なハード整備にまい進してこられた藤原さん。
大きな施設更新は、今進行している新庁舎・新病院が限界です。
新庁舎・新病院を建てるための借金の返済が
今後の伊丹市の財政に重くのしかかってきます。
市民福祉のレベルを下げないで、
いかに上手に市政を進めていくか、手腕が期待されます。
市議会は、5期目の市政が藤原市長のやりたい放題とならないよう、
しっかりとチェックしてまいります。