駐輪対策のことを考えるのに、以前読んだ本を引っ張り出してきました。
「自転車とまちづくり」 渡辺千賀恵著 学芸出版社 1999年初版
1999年が初版ですので、ほんと、だいぶん古い本です。でも、この本が出された頃と状況は何も変わっていない。この本が出版された頃には、あちこちの自治体でそれなりの対策を打ち出して、それなりの効果があったと思います。でも、15年たった今、状況は元に戻ってしまっているようです。駐輪場の建設(設置)や駐輪指導員の配置、違法駐輪の撤去、と数々の施策にどれだけのお金を費やしたことか。
この本の中に伊丹市の事が出てきます。引用します。
工夫を要する買物駐輪場の有料化
◎二つの成功例、二つの失敗例
(成功例の1つ目として出てきています)
1983年のこと、阪急伊丹電鉄の伊丹駅前が放置禁止区域に指定された。この駅は高架下と駅前とに二つの商店会があり、ともに買物自転車への対応を迫られた。高架下の商店会のほうは、市と相談した結果、市道の一画をフラワーポットで囲んで買物駐輪場にすることになった。買物客が出す駐輪料金でもって商店会が市に使用料を支払い、収入が不足したら商店会が補うというやり方である。駐輪料金は一回100円(当時)であったが、ある金額以上の買物をすれば免除されるから、実質は無料といってよい。
一方、駅前の商店街のほうはスペースを見い出せなかったので、同年に整備センター(自転車整備センターのこと)が作った有料駐輪場を活用することにした。整備センターが回数券(十五枚1000円)を発行し、それをあらかじめ各商店が買っておき、買物してくれたお客に1枚を渡す。お客は駐輪場を出るときにそれを提出すればよいから、駐輪料金は各商店が肩代わりしていることになる。回数券の利用実績は1カ月あたり26万円、3900台に達した(1988年現在)。
確かにそんなシステムだったような気がします。自転車放禁止になった頃は、みな純粋に「自転車はきちんと預けるもの」と思っていたのでしょう。また、買物客の駐輪の責任は商店街(会)にもある、と感じていたことも伺えます。古き良き時代だった、ということでしょうか?現在は?
商店会も買物客も伊丹市もオール・ハッピーな方法に繋がるヒントが無いか、読み進めていきます。