日本の合計特殊出生率が昨年に引き続いて上昇した、と報道がありました。
黒い線が日本です。
最低の2005年の1.26から微増ではありますが年々上昇し、2013年は1.43になりました。
合計特殊出生率とは、一人の女性が一生の間に産む子どもの数のことを言います。出産可能とする15歳から49歳までの女性の出生率を足し算していって、全体の平均を出すそうです。
お父さんとお母さんの間に生まれるのですから、人口が減らないためには2人産めばよいように思いますが、人口維持には2.08が必要なんだそうです。これは、病気や事故で亡くなる分を上乗せしなければならないからなんですね。
上のグラフを見ると、出生率の低下は今に始まったことではなく、昭和50年には2.0をすでに割り込んでいます。昭和50年に生まれた女性はもう30代後半。そのころの少子化が今の子どもの数の減少を招いているということではないでしょうか。
当時、少子化という言葉はあまり聞かれなかったように思います。逆に人口急増で日本の人口が1億人を突破した、というニュースが飛び交っていました。医療の進化で寿命が大幅に伸びて結果として人口が増えたことで、少子化という問題に気がつかなかったのかもしれません。また、年金をもらう人よりも支える人の方が多かったために、問題とならなかったのでしょうか?
今、合計特殊出生率が2.08を回復したとしても、ベースとなる女性の数が減っているのですから、日本の人口減は止まることは無いでしょう。また、日本の男女全員が結婚し、全員が2人子どもを産んでも減るのですから、今の晩婚化、非婚化を考えれば、いったい何人産めばいいのでしょうか、想像もつきません。
40年以上前の女性が、今と時代が違うのになぜ子どもを持たないようになったのか、40年間続けている少子化対策がなぜ効果を挙げていないのか、少子化の問題の本質は何なのか。日本の社会は真剣に考えなければならないと思います。
だから、女性は適齢期には寿退社して専業主婦になって、たくさん子どもを産み育てればいい、と思っている人がいるとしたら、そのあたりが問題の解決なのかもしれません。