今日、参議院で道路特定財源に関する法案が否決され、明日衆議院で3分の2の自公の多数で再可決されると報道されています。
今日、社民党の辻元、保坂両議員と無駄遣いの例を視察に行きました。場所はR176の名塩道路、全長10キロあまりの道路に850億を越える予算が組まれています。その中ほどにある、1000坪ほどの空き地を市民の憩いの場所にしようと、「道路女性モニター」(通称道カフェ)なるものを募集して、基本となる計画を5年間で1億2千万円を投じて考えてもらったそうです。国土交通省阪神国道事務所で、保坂議員が出した質問に対する回答をもらったのですが、ほぼすべての質問に、「前任の担当者がいないのでわかりません」という回答でした。
その後現地を視察。車が60キロを越えるスピードで通りすぎる脇の土地がそれ。道路と川にはさまれた狭い土地をどうすれば憩いの場所にできるのか、徒歩でのアクセスもできない、近くに民家もない、水道も来ていない場所です。本当に整備する気があったのか、子どもたちと植えたどんぐりの苗木も水遣りや手入れができていないせいで、雑草と入れ変わっていました。せめてトイレがあれば立ち寄ることもできるかもしれませんが、道の駅にするにも狭すぎる。
計画だけに1億2千万円、これからの工事費はいくらかかるか未定だが、整備するという回答。本当に必要かどうか、改めて検証してから着工してもらわなければ、無駄遣いの上塗りになると思いました。
与えられた予算を消化するためにむりやり企画したとしか思われません。モニターがどのように選ばれたのか、募集の詳細もわかっていない、毎年2千万円が何に使われたかも把握できていない、モニターが道路に関するオピニオンリーダーとして育つ、という成果もない、憩いの場も整備できていない、ないないづくし。それに、女性・こどもを利用したというところが許せない。
必要な道路は作ったらいい。このような広報活動に年間数十億円もかけるなら、要る道路をさっさと作ったらいいと思います。ただ、計画された道路、その予算、作られた道路、それらの検証がなされていない段階で、道路特財を認めることは、さらなる税金の無駄遣いを許すことになると思います。道路工事の現場に、「この道路はガソリン税でつくられています」と書いてありますが、その横にキチンとかかった費用も表示して欲しいです。そうすれば、いかに莫大なお金が費用対効果も検証されずに、湯水のごとくに使われているかを、国民は知ることができますから。
あの、空き地にはこんな看板を立ててもらいましょう。「この空き地は、デザインだけで1億2千万円をかけました」とね。
現場の様子は右のアルバムで見てください。