受験生の皆さんは、さぞかしびっくりしたことでしょう。
ID申請の受付日に、2020年度から始まる大学入試の
共通テストで導入予定だった、英語民間試験の導入が見送られたのですから。
かねてより言われていた、準備不足や不公平さに起因した延期というよりは、
萩生田文部科学大臣の失言をカバーするための延期のような気がします。
導入に向け、真剣に準備をしていた受験生や学校や予備校もあったでしょう。
努力、労力、時間が無駄になってしまった、と憤る人たちの気持ちも分かります。
一方で、地方と都市部との格差や5つの民間試験のレベル問題や会場の問題など、
課題が山積みの中で実施を強行するよりは、まだましだった、とも思います。
来年から小学校3年生から英語教育がスタートし、5年生から教科に加わります。
中学校では英語の時間は、すべて英語で授業が行われることになります。
伊丹市では平成30年度から、3,4年生で年間25~35時間、
5,6年生で60~70時間の外国語学習
(外国語はいっぱいあるのに、わざわざ外国語と言わずに英語でいいと思う)
の時間を設けています。
ALT(外国人英語指導助手)を全校に、月1~2回派遣し、
生の英語に触れることで、コミュニケーション力のアップにも力を入れています。
英語に限らず外国語を学ぶ、覚えることはそれ自体が目的ではなく、
その言葉を使って「何」がしたいか、が重要です。
かつて、一緒に仕事をしていた女性は、
英語はペラペラ、電話の受け応えもばっちり!もちろんメールも書類作成も英語。
どうしてそんなに上達したの?と聞くと、
英語しか話せない先生にピアノを教えてもらっていたんだけど、
先生といろいろお話をしたいので、先生の話す言葉を勉強した、
ということでした。
言葉は、道具です。
その道具をどう使うか、何のためにその道具が必要か、
が外国語学習の基本だと思います。
情報をより多く得るには、「英語を読む」力の方が役に立ちます。
一方、コミュニケーションのためには、話す聞くが人必要ですね。
日本に布教に来ているモルモン教徒の人たちは、
日本語が上手です。
知り合った人に、どうやって覚えましたか、と聞くと
派遣される前3か月みっちりと布教のために言葉を勉強します、
と言っていました。
その前は中南米のどこかに布教に行っていたとかで、
スペイン語も上手でした。
布教のための日本語なので、
読み書きなどは全くできませんでしたが、
布教が目的なので、必要としなかったのでしょう。
相手の国の読み書きを学ぶことはその国の文化を学ぶことにもなるのですが、
モルモン教徒の人たちには、布教こそが目的であって、
日本を知ることが目的ではなかったのでしょうね。
日本人は英語コンプレックスがあるのようです。
英語が話せないのは恥ずかしい、ですか?
ネイティブのように話せないとだめですか?
イギリス英語はアメリカでは通じないこともあります。
アメリカ国内でも、南部と北部で随分違っていて、
「なまっている」とか「通じない」ということもあります。
外国の人が話す英語を聞いていると、
中国語なまり、フランス語なまり、タイ語なまりなどの英語が聞かれます。
日本なまりの日本語でも全然かまわないと思います。
要は、相手に通じればいいのです。
言いたいことをはっきりと言えばいいのです。
教科化になるのですから、勉強しないわけにはいきません。
どうせ英語を使った仕事に就くことはないだろう、と思わないで、
「英語」を通して世界が広がる、と思って頑張ってほしいです。