議会がなにをしているところなのか分からない、
議員がどんな仕事をしているのか全く情報が届いてこない、
という声は、選挙を目前にするとよく聞かれます。
市民に開かれた議会、市民に信頼される議会を目指して、
伊丹市議会でも様々な改革に取り組んできました。
また、平成27年3月制定された議会基本条例の前文には
議会は、多様な方法を用い、市民参画と意見の聴取に努め、
様々な市民の意見を受け止め、 市長等の事務執行を監視し、
評価していかなければなりません。
また、議会は、積極的な情報公開と説明責任を果たすこ とにより、
市民により身近で、より信頼される議会をつくるため、
さらなる議会の活性化に向けて、不断の努力を重ねてい きます。
とあります。
この2年間、議会改革特別委員会の委員長として、
議会基本条例に定めたことが実行されているか、
実行に向けてできることをやっていこう、
と委員11人と取り組んできました(条例の検証です)。
何時間も議論を重ね、委員会として以下のようなことをまとめました。
・主権者教育として、子ども議会、高校生議会を開催する
・陳情を請願と同様に委員会で審査するルールを設ける
・政務活動費は今の報告書のみではなく、出納簿、集計表をネット公開する
・議事録は正規の議事録ができるまでは、暫定版をできるだけ早くアップする
・本会議の傍聴券の半券を議長に渡すのを辞める
などです。
モチロン、これだけではなく、
・請願、陳情の提出者には議会で発言してもらえるようにする
・市民や各種団体との意見交換会、公聴会を開く
・議案の賛成反対の理由を議会だよりに載せる
・議会運営の事柄も多数決で決めるようにする
などなど、たくさんの提案もありましたが、委員会としてはまとまりませんでした。
今任期中に実施できるものは実施したいと
まとまった項目を正副議長には報告をしたのですが、
「議会のことは次の任期の議員に任せたい」
「間もなく選挙があり、時間がない」
「多数決できめるのか、全会一致できめるのか、決まっていない」
との理由で、議員総会で取り上げてもらうことができませんでした。
それでも、議論を重ねた議員から、何とか1つでも実施できないか、
と政務活動費の報告内容の拡大だけは、議員総会で採決を取ってもらえました。
しかし、結果は1名の議員が反対し、実行に繋げることはできませんでした。
「時間がない」については、任期切れが分かっていながら、
2月にしかまとめきれなった委員長としての責任を感じています。
伊丹市議会では、議会運営に関することは、全会一致で決める、というのが原則で、
1人でも反対すれば改革を実行に移すことができません。
良い方向への改革であれば、多数決でも進めていくべきだと考えます。
多数決で決めてよい、ということを全会一致で決める、
ということは、不可能かもしれませんが。
結果がすべてですから、どんなに議論を重ねたとしても結果が伴わなければ、
やっていないのと同じことです。
それでも、市民と共にある議会を目指す議員が過半数はいる、
ということだけは分かっていただきたいのです。