伊丹市は公共施設が多い、と言われます。
市域が狭いから、たくさんあるように見えるだけ、とも言われますが、
実際に他市にはない施設もあります。
(昆虫館、プラネタリウム、柿衛文庫、演劇ホール、など)
市役所をはじめ、昭和40年代に建てられた施設が老朽化し、
一斉に建て替えの時期を迎えています。
今あるすべての施設を建て替えるとなると莫大なお金が必要です。
何十年も使う施設は、建て替えたその時代の市民だけでなく
将来の市民も建設費を負担するのがルールですから、借金で建てます。
(もちろん、現金も出しますが)
今は、伊丹市史上最大の人口となっていますが、
この先必ず人口は減り、社会福祉費がいっぱい必要になることを考えると、
将来の市民負担は今より大きいものになることは、間違いありません。
そこで、その負担を減らすように考えられたのが、
「公共施設再配置計画」です。
公共施設全体の延べ床面積を減らす、という計画です。
それを作るときに、すべての施設の老朽化具合や使われ方、維持管理費など
細かなデーターを集めた「公共施設白書」も作られました。
公共施設は、それぞれに目的を持って建てられています。
しかし、目的通りに使われていない施設、
一部の人だけが使っている施設、
あったらいいけれど、伊丹市の身の丈に合っていない施設、
などがあります。
建て替えるときには、
そもそも、その目的は市が事業としてやらないといけないものか、
目的を達成するためには、どんな事業が必要で、
そのためにどんな施設が必要なのか、
市民の皆さんが満足して使っていただけるにはどうしたらいいのか、
場所は?施設の大きさは?施設の中身は?運営は?
をまず検証しなければならないと考えています。
先日の文教福祉常任委員協議会では、博物館の機能移転の説明がありました。
市役所の建て替えに伴って、熱源を一にしている博物館は存続できなくなります。
そこで、宮の前文化の郷(美術館や岡田家酒蔵のあるところ)へ移転することを前提に、
宮の前文化の郷をリニューアルしよう、という計画案を作りました、ということでした。
中央公民館機能がスワンホールに移転することが今年の予算で決まりました。
認定こども園の建設のために、現在の女性児童センターは、
児童館と男女共同参画センター機能に分けられ、
男女共同参画センターは、今あるどこかの施設に入れることも検討されています。
2つの施設を合わせて1つにすれば、施設の数は半分になり、延べ床面積も減ります。
公共施設再配置計画通りに進めているように見えます。
でも、ちょっと待って。
その前に、その施設の「棚卸とこれからの役割」について考えてますか。
先ほどの、検証がちゃんとできていますか。
どの施設も現在それなりに活用されていて、
施設を利用されている方は口々に、絶対必要です!とおっしゃいます。
反対の方がいらっしゃるから、無くすのは難しい。
だからどこかとどこかをくっつけて、結果として全部残す、
という考え方は、当面の策としてはありかもしれませんが、
多すぎる公共施設をどうするか、の問題は先送りされます。