大阪市営の地下鉄・市バスを利用される高齢者に、一部負担金制度が明日から導入されます。
大阪市内の70歳以上の高齢者の方は、大阪市営の地下鉄・市バスを利用するのに、2013年6月までは無料でした。それが、2013年6月から1年あたり3000円の登録料なるものが必要になり、さらに明日からは、1回乗るたびに50円が必要になります。
これまで、ただだったものが有料になるということは、とても大きい負担です。さらに乗るたびにお金が必要となると、お出かけする回数も減ってしまうのではないか、と心配になります。この暑い時期に家にじっとしているより、バスや地下鉄を利用して、クーラーの効いた公共施設へ避難される方が、健康にもいいと思うのですが。
大阪市営交通は、バスと地下鉄を持っていて、地下鉄は大黒字、市バスは大赤字なのだそうです。そのため、赤字補てんとして市バスに2013年で年間80億円を「高齢者パス代」として支出しています。その出所は、地下鉄の黒字からではなく、高齢者福祉の会計からの支出だと思われます。1つの公営企業内で赤字・黒字があれば、融通しあってもいいのではないか、と思うのですが、これは地方財政的には、間違っているのでしょうか?
伊丹市も、70歳以上の高齢者の方は無料で市バスが利用していただけます。もちろん、伊丹市バスも赤字ですから、大阪市と同じく、「高齢者福祉」の財布から、年間6億円近くが支出されています。
伊丹市で無料パスをご利用になる方の数は、約3万人。一人当たり2万円です。2万円で、お出かけする回数が増え、社会とのつながりが持てて、健康でいていただけるなら、素晴らしい高齢者福祉だと思います。
一方、お元気で自転車や車を利用して、行動範囲を広げていらっしゃる方もおられます。年間2万円もかかる無料パスよりも別の制度がよい、との声も聞かれます。
これからどんどんと対象者が増えていく時に、バスの赤字、とは別に「高齢者の社会参加のための福祉制度」を見直さなければならない時期が来るかもしれません。