最近、2つの新聞で中学校給食を特集していました。私も立候補のときの公約に掲げ、「中学校給食を!」と訴えてきましたが、なかなか実現できていません。
給食にはいろいろあって、普通に「給食」というと主食、おかず、牛乳の3点セットとなり、これを「完全給食」と呼びます。下の写真は伊丹市の小学校の給食の1例ですが、こんな感じ。
全国の公立小中学校の完全給食の実施率は、小学校が平均で98.5%、中学校では80.9%です。伊丹市の場合、小学校は100%ですが、中学校は0%ということになります。兵庫県では中学校給食は49.6%で半分の実施率だということがわかります。お隣の宝塚市や西宮市は給食がありますが、川西市、尼崎市、伊丹市、神戸市などはありません。
さて、伊丹市で中学校給食が実施されない理由を、新聞では「弁当が定着しているので、保護者も給食を望んでいない」と書いていました。本当にそうでしょうか。定着しているのではなくて、給食がないから子どもに弁当を持たせないわけにはいかない、のが現実でしょう。
何度も、議会で質問をしましたが、教育長も市長も同じように「弁当を作ることが定着している」ことのほかに、「思春期の子どもに弁当を作ることで、親子の絆が深まる」「中学生ともなると、みんなt同じものを食べたがらないし、量にも個人差があって給食では対応できない」「保護者がつくらなくても、子ども自ら弁当を作れる、自ら食べたいもの、体にいい良いものを選ぶことが食育だ」などと言われています。確かに、1理あるとは思いますが、実際の弁当に、なかなかその意義を見出すのは難しい感じがします。それ以上に、家庭の経済格差のせいで、十分な弁当を持ってこられない生徒が増えています。育ち盛りの子どもたちが、きちんと食べることのできる環境は、とても大事だと思います。でも、男性の多い議会や市役所では、母親弁当に対するあこがれのようなものがあるのか、理解してもらえません。
先日、とあるお母さんから「伊丹市は小学校の給食費の滞納が多いので、中学校の給食はしないんでしょ」と言われましたが、いえいえ。伊丹市の給食費の納入状況はよく、テレビなどで報道されているようなことはありません。滞納率は1%以下で、1学年に1人いるかいないか、というレベルです。滞納が少ない理由に、就学援助制度というものがあり、小学校では6人に1人くらいが給食費を免除されているのというのも1つかもしれません。
民主党内閣がスタートさせた子ども手当の現金個別支給。あまり評判がよくないので、今後の増額分を現物支給でという話がちらほら出ています。メニューの1つとして、「義務教育学校の給食費を無料」が上がっています。そうすれば、学校の負担も保護者の負担も減るので一挙両得ではないかと。確かに!
でも、中学校の給食がないところはどうなるのでしょうか?給食制度があるところだけ恩恵を受けられることになるのかもしれません。他市では、給食があって、子どもは季節に合った、栄養満点のお昼食が費用負担なしで食べられるのに、伊丹市では弁当を持っていかなければならなくなるとすれば、親御さんは納得するのでしょうか?