昨日、羽田新国際ターミナルがオープンし、32年ぶりに羽田空港に国際線定期便が復活しました。テレビのニュースでも大きく取り上げられていましたね。あるコメンテーターは、新滑走路やターミナルビルというハード整備は進んだけれど、日本の経済の低迷やビザ、受け入れ観光地の問題(言葉、サービス)などのソフトの問題が解決しなければ、旅客数も就航便数も増えない、というようなことを言っていたのが印象的でした。
羽田空港のように新滑走路を増設するスペースやターミナルビルを新設する場所もない伊丹空港は、どのように活性化すればいいのでしょうか?
9月議会には、市内団体から伊丹空港を最大限利用し、活性化して欲しい、というような内容の意見書を国に提出してください、という請願が出され、私が委員長を務める委員会で採択されました。そして、最終日の本会議には賛成した委員が提案者となって作成した意見書案が賛成多数で可決されました。
かつては「大阪空港撤去宣言」を掲げていた伊丹市ですが、国の対策などが進んだのと、日本経済の発展には伊丹空港が必要だということを市民が受け入れたことで、国と「大阪国際空港の存続協定」を結ぶまでになりました。その後、藤原市長の時代になって、「大阪国際空港と共生する都市宣言」を制定すると同時に撤去宣言はその効力を失い、市を挙げて空港を活かしていこう、ということになりました。今回の意見書は、「伊丹廃港も視野に入れて」とした国の成長戦略会議に対して、結果として「伊丹空港を無くさないで」と国にお願いをすることになります。
活性化を進めるとなると、羽田や成田のように便数を増やしたり、利用時間を延ばすことが必要となってはこないでしょうか。伊丹市から諸手を挙げて「活性化してください」とお願することは、国から「ならば応分の協力をしてくださいね」と足元を見られることになりはしないでしょうか。現在でも市街地にある空港の危険性はゼロになったわけでもなく、依然として騒音区域は残っているのです。私個人としては、請願にも意見書にも賛成はしかねました。
空港が活性化すれば、伊丹市は活性化するか?空港があれば地域経済が活性化するのなら、関西空港前の工業団地も神戸空港の埋め立て地も完売し、企業や商業施設が所狭しと立ち並んでいるはず。また、そうであるなら、大阪国際空港に国際線が就航している時代、そして現在でも国内基幹空港として年間13万5千の発着回数を誇る伊丹空港周辺にも同じことが言えるのではないでしょうか?
市内経済の活性化には大賛成ですが、空港が活性化すればそれですべてうまくいくわけではありません。
ここは、市立鴻池池小学校。
伊丹空港の離発着回数は1日370回、午前7時から午後9時まで14時間ですから、平均5分に1回飛行機が校舎の上を飛んでいきます。