9月になったとたんに、秋になりました。空の色も空気の匂いも夏とは違う、秋の顔になりました。うれしいはずなのですが、ハタと困る。それは、夏痩せもしていなのに、食欲の秋に突入してしまうことです。
海外を旅行していて、日本の食事の多様性に気づかされます。街中のレストランでは、和・洋・中はおろか、アフリカ、インド、中南米と世界各国の料理が食べられます。コンビニのお弁当もバリエーション豊か。お菓子も、何百という種類が陳列棚に並べられ、季節折々の新商品も発売されます。
この食の豊かさは、学校給食にも表れています。伊丹市の小学校はセンター方式ですが、それでも、毎日日替わりでおいしい、栄養的にもすぐれたお昼ご飯が食べられます。驚くことなかれ、デンマークの幼稚園・小学校・中学校(小中一貫の国民学校ですが)には給食がなく、お弁当持参なんですよ。そのお弁当も、タッパーにパン・ハム・チーズが重ねて入れてあり、フルーツが添えられている、それだけです。どの子もほとんど同じです。パンが、白だったりライ麦だったり黒だったりするだけ、チーズがチェダーだったりナチュラルだったりカマンベールだったりするだけ、フルーツがオレンジだったりブドウだったりするだけ。それだけの違いです。ついでに言うと、朝ごはんもパン・ハム・チーズ・ヨーグルト・コーヒーです。毎日同じ。訪問した市の担当者は、日本の給食制度はすばらしい、今後食育にも力を入れたいので、参考にしたい、と言ってました。
日本は食べ物の自給率が40%を割っているのに、飽食の時代と言われ、大量の食品廃棄が問題になっています。食べきれないほどの食品を冷蔵庫にぎゅうぎゅうに詰め込み、賞味期限が過ぎたら捨てる。商店も品切れを恐れて山ほど並べ、消費期限間近で捨てる。世界には飢えて死んでいく子どもたちがたくさんいるのに・・・。
私も、食欲にまかせて注文したり、買い物をしたりしないように心がけます。そうすれば、「天高く馬肥える秋」は回避できるかもしれませんから。