伊丹市でも、公立保育所の民営化が問題になっています。公立保育所はお金がかかるから、国からの補助金がなくなったから、市民の多様なニーズに対応するため、民間活力を生かすため、などとさまざまな理由を挙げています。
民営化に反対する人たちは、急激な環境の変化は子どもたちに悪影響を及ぼす、公の保育の責任を放棄することになる、しょうがい児保育(統合保育)が行われなくなる、少子化が進むと子どもの取り合いになり、競争が激化する、保育の質が下がる、などとこちらもさまざまな理由を挙げています。
保母が看護婦とならんで、女性の専門職となったのはいつだったでしょう。それまでは、子守という家事だったものが、国家資格になって、働く女性の地位は守られました。保母の存在は、女性の地位の向上と社会進出に大きな役割を果たしたと思います。
もし、民営化がどんどんとすすんで、すべて民間の保育所になったら、競争原理で運営される保育所では、現在の大企業のように、アルバイトや契約保育士ばかりになってしまわないでしょうか?いくら子どもが好きでも、不安定な条件でしか働けないような保育士の資格を取ろうとする人があらわれるでしょうか?若い人たちが、保育士を目指す学校に進むでしょうか?
公立保育所の民営化は、保育士という国家資格の内容を変え、保育士がいなくなる、という結果を招くのではないでしょうか?女性の労働という面に、計り知れない影響を与えると思います。
保育士のみなさん、保育学校のみなさん、このままでいいのですか?