ちょっと前に話題になった、中島さおりさん著「パリの女は産んでいる」という本をよみました。インパクトのある題名でしょう。今の日本で「喉から手が出るほど」欲しい、女に子どもを産ませるにはどうしたらいいか、のヒントが書いてあるんです。
先日も、市議会の質問で「少子化問題にどのように対応するのか」というのがあったのですが、回答のイントロで、担当の部長が「出産育児より自分の時間が大事とする女性が増え、また女性の高学歴や就業により晩婚化がすすみ・・・」というものでした。少子化の原因は女だけにあると思っているんだ、と再認識しました。ならば、女性についての施策を充実したら、子どもを産んでくれるのではないかしら?次世代育成、といって、子どもを主題にしなくても・・・・でもそうすると、産め産めって言ってるみたいにとられて,自己決定権の侵害だ!って言われてしまうかも。
この本で、フランスの女性が子どもを産むようになった理由を、ちょっと乱暴ですが「母親になることで抱え込む負担や損をできるだけ少なくして、女が自由に幸せに生きられるようにしたら、自然に女たちは、自分から子どもを産むようになる。」と書いています。帝王切開の傷口は、フランスは横(ビキニに水着を着たときに目立たないように)だけど日本は縦、母親だって働くことが当たり前という社会通念になっているとか、夫と妻が赤ちゃんをベビーシッターに預けてお出かけすることが、喜ばしいことだとみんな感じていることとか(パパとママの仲がいいのが、子どもの幸せ)、そんなことがいっぱい書いてあります。もし、日本でこれと全く同じことが実現できたら、今の1.25という合計特殊出生率がアップすることは間違いなんじゃないかな、と思いません?出産・子育てマシーンではなく、たとえ母親になっても一人の人間(女性)としてありたい、そんんな当たり前のことがかなえられさえすればいいのです。
もちろん、お国柄がありますから、子どもを産むことを何よりも優先したい女性もいるでしょう。でも、子どもを最優先し、理想的な子育てをすることは、重い負担になります。ときには、自信をなくし、育児を放棄したくなるときもあるでしょう。そんなとき、誰も母親を責めず、やさしく支えてあげられる社会なら、子育てが楽しくなると思います。