4泊5日の予定で、児童福祉・高齢者福祉の国、デンマークを訪れました。高負担・高福祉は、経済至上主義の日本にはなじまない、人口規模が20分の1、面積規模が8分の1のデンマークでは、比較にならないとよく言われます。確かに、同じシステムや同じやり方を取り入れたって、今の日本には合わないというのは、確かだと思います。でも、日本が、いいえ、日本人が誇りにしている、日本の豊かさが、この国の前ではかすんで見えることに気づきました。
税金の負担率は、所得税と市民税と合わせて最高50%、消費税は25%という高負担であるのは驚きですが、教育費(幼稚園1年生から大学院まで)は、無料です。医療費も特別なものを望まなければ、無料です。若者は18歳になったら自立費用として、日本円で約5万円が支給されますし、高齢になって体が不自由になっても、最大限自分の要望が聞き入れられて、施設介護や在宅介護の仕組みが整っていて、不安はありません。
国民の平均所得は約600万円、パートタイムや派遣のような不安定な雇用は無く、それらの仕事は学生アルバイトが担っています。成人で仕事をしている人たちは、労働時間の長短の差はあっても、すべて正規雇用です。労働時間は週平均37時間、1日8時間弱で残業はほとんどありません。実際に、訪問地の小さな商店の営業時間は、平日は4時半まで、金曜日は4時まで、土曜日は2時まで、日曜日は完全休みでした。それぞれの人が、自分の時間、家族の時間、社会奉仕の時間など、24時間をとても有意義に使っています。また、住宅も地区100年から200年の家を手入れして住み、回りの環境整備にも十分に配慮して、町の景観を損なわないようにしています。また、街の美しさは、目を見張ります。
税金の負担だけをとってみれば、日本は高所得者ほど税率が優遇され、頑張れば頑張っただけお金が手元に残る仕組みにはなっていますが、すべての人たちの、生活の安心感や将来へ安心感は、どうでしょう。死ぬほど働かなければならない人がたくさんいます。借金や悩みで自ら命を絶つ人が、1年に3万2千人もいる日本。持てる人と持たざる人の差がどんどん広がっていく日本。
生活の豊かさはどちらが実感できるでしょうか。
たくさん写真も撮ってきました。コメントを入れながら、アルバムに追加していきますので、注目必至です。