今日は、憲法記念日。
自民党の党是は憲法改正。
まちの人たちに憲法を改正すべきかどうかを尋ねると、
結構な数の人たちが社会情勢の変化や時代に合わせて改正したほうがいい、
という意見を持っているようです。
日本には、さまざまな法律があり、
そのルールにのっとって私たちの社会生活は一定の秩序が保たれています。
その一方、旧態依然とした法律が残っているために、
現在の社会生活に不具合が生じていることもあります。
法律は、その不具合を解消するために改正されたり、新たに作られたりします。
その基準となるのが憲法です。
例えば、平成25年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,
嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になりました。
平成25年9月4日、最高裁判所は,
民法の規定のうち嫡出でない子の相続分を
嫡出子の相続分の2分の1とする部分について,
法の下の平等を定める憲法14条1項に違反していたとの決定をしました。
それを受けて、違憲とされた規定を改め,
嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等とするよう改正されたのです。
憲法第98条「この憲法は、国の最高法規であって、その条項に反する法律、命令、詔勅
及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」とあるように、
国が定める法律や行為はこの憲法に決められているようにしなければならないのです。
だから民法が改正されたのです。
同じ理由で、改正されないといけない法律は他にもいろいろありますが。
自民党の改憲草案では、
現行憲法の99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、
裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」としているものを、
「すべて国民はこの憲法を尊重しなければならない。
国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。」
に変えています。
これまで、憲法を守るべき人たちは、政治を行い行政に携わる人たちで、
その人たちは憲法に定められた国民の権利を侵してはいけませんでした。
自民党の改憲案のように憲法が変えられると、国民が憲法を守り、
憲法に定められたような行動をとらなければならなくなります。
そうなったとき、違憲判決を下す最高裁判所はもはや国民の味方ではなくなり、
憲法で国民を縛る「違った意味での」憲法の番人となってしまいます。
これまでの護憲運動は「憲法を守ろう、憲法を生かそう」という主張でした。
それが、多くに皆さんにちゃんと理解されていなかったように思います。
「国は憲法を守れ!憲法に定められているような社会にしろ!」
と訴えるべきだったのでしょう。
憲法記念日をきっかけに、今一度憲法を読んでみてください。
「憲法とは国が守るべきもの」ということがお分かりいただけると思います。