東田さんがテレビ番組で取り上げられた2回目を見て、読んでみたくなったのです。
自閉症の人が書いた初めての本ということで、日本のみならず、
世界中で翻訳され、自閉症を理解することに役だっていると絶賛されていました。
もし、番組を見ていなかったら、これらの文章は別の誰かが書いたものと思っただろうけど、
番組を見ていたから、東田さんが書いたまさしくそのものだと信じることができました。
文章は素晴らしく、思慮深く、シンプルです。
自閉症である東田さんが感じている世界は、全く想像がつかないものでした。
風景の見え方や、人と会った時の対応や、時間の把握の仕方など。
急に立ちあがってどこかへ行ってしまうことや、
1つのことばをぶつぶつと繰り返してつぶやくことや、
嬌声をあげて跳びはねること、すべてに理由があることも知りました。
彼は、自分が古代の人に近いのではないだろうか、と書いています。
存在がとても自然に近いのだろうとも。
全ての自閉症の人が自分のようであるとは言っていません。
あくまでも、1人の感じ方であり表現であるとしています。
誰かにうまく伝えられる、伝えられないということとは関係なく、
みんな考え感じているのです。