3月議会が閉会いたしました。
条例と予算案が、すべて賛成多数で可決され、28年度のスタートの準備ができました。
本会議や委員会で様々な意見を申し上げ、私も賛成いたしました。
少し長いのですが、賛成討論をアップします。
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議案第9号、平成28年度一般会計予算案に賛成するものとし、数点意見を申し上げます。
ます、歳入の市民税についてです。
財政の鉄則は「入る(入る)を量りて出る(いずる)を制す」であります。伊丹市においては、
この量りての部分に地図の図という漢字をあて、入るを図ってきました。それが、法人市民税の超過課税であります。地方自治の原則から財政上の特別の理由がある場合に限り、標準税率を越える税率で課税することは認められています。伊丹市は、昭和49年度のオイルショック後の第2次財政危機打開のために、行財政審議会の答申を受け、法人税の均等割りを1.2倍に、法人税割に14.7%の税率を設定し、以来1度も見直しが行われておりません。他市においては、定期的にその実効性・必要性について見直し、またホームページや税のしおりなどで法人超過課税の意味、目的、額、使い道を明示しておりますが、伊丹市ではそれも実施されていません。42年間の長きにわたって財政上の特別な理由が有り続けたかは疑問であり、その財源があるがゆえに続けてきた事業もあると思われます。平成26年度決算における、法人超過課税総額は約3億円であり、市の財政にとって大きな比重をしてめいることは確かです。しかし、マンネリ化した超過課税については、その必要性・妥当性について見直す機会を設けると同時に、市内法人・市民のみなさんと情報共有することを提案いたします。
次に市債の発行では、行財政プランに基づき、この5年間を積極的投資をする期間と定め、5年の間に、政策的投資的経費にあてる市債の発行額の上限を年50億円、5年間で250億円と定めました。本年においては、公共施設マネージメントの初年度にあたり、具体的なハードの改修計画が整っていないために、本年度の市債発行額は25億円程度にとどまっています。起債の償還年数は10年から20年であり、総額250億円の影響はのちの市民にとって、起債の償還というかたちで負担となります。市債の発行に当たっては、据え置き期間を取らず、また、繰上げ償還を適時行うなど、人口が減少し、人口の構成が現在と大きく変わる時代の財政において大きな負担とならないよう、慎重に行っていただきたいと思います。
次に歳出です。
総務費における支出をはじめとし、さまざまな文化活動、市民活動などへの補助金・交付金が支出されています。補助金については、すべての補助金をゼロベースで見直しし、補助を必要とする団体・事業等は公募にするなど、補助金の見える化に努めていただくよう要望いたします。また、会計報告については、今年度から始まる地域活動交付金を含め、1円以上の領収書添付を義務付け、明確な会計処理を求め、また担当課において、十分なチェックをすることで、市民の皆さんからお預かりした公金の使い道の透明性を高めていただくよう、要望いたします。
放置自転車対策については、民地をおかりして地下に機械式の駐輪設備をつくるとしています。その額は、2億6千万円、総合計画の後期実施事業の中では、2機分、5億2千万円の事業を計画しています。地上の駐輪場と違って、メンテナンスにもお金がかかりますし、需要がなくなったときにも、対応に困ります。民地でよいのか、民地をお借りすることで後々問題は出てこないのか、また、ランニングコストすら使用料でまかなえない施設を今急いで設置しなければならないのかどうか、本当に他の方法がないのかなどを改めて検討することを求めます。ただ、放置自転車対策には、職員の皆さんのただならぬ取り組みとご苦労があることは理解しております。また、阪急伊丹駅前は、景観は別として、ラック設置によって、放置自転車の数が減ったことは、ありがたいことです。放置自転車の啓発は、なかなか進みませんが、自転車対策には、地域の商店街や自治会等のかたがたのみではなく、自転車を止めている市民を含めて、大きな議論をしていくことが、啓発への近道だと思います。
市営住宅については、住生活基本計画で「立て替えをしないで、民間ストックを活用する」と決めています。ただ、現状では用途廃止を決めた50戸分の募集に対して10戸と、民間からの提供が進んでいません。この状態で、市営住宅1981戸が民間ストックでカバーできるとは思えません。市長は、公営住宅施策は、ハードからソフトへと転換する、とおっしゃいました。ソフトに転換した公営住宅施策はどのような事業展開を行っていくのか、今後明らかにしていただきたいと思います。老朽化している市営住宅は、耐用年数を考えながら、適宜修繕を行っていただくことを求めておきます。数年後には、伊丹市営住宅となる鴻池団地もふくめて、今後の市営住宅のあり方については、次の住生活基本計画の策定に向けて、十分検討されることを求めておきます。
今年度事業には、具体的には反映されてはおりませんが、公共施設マネージメントと公共施設再配置計画について触れておきます。伊丹市は他市に比べてハコ物が多いことは事実です。その施設を持ち続け、そのまま更新を繰り返すことは、将来の世代の市民に大きな負担となることを考え、一早くとりくまれたことには、敬意を表します。計画では、現在保有している60万平方メートルの10パーセント削減を目標に掲げすすめていかれるということですが、何を廃止して何と何を統合すると言う具体的な計画は決まっていません。利用している市民の皆さんや施設のある地域の方々と丁寧に話合って決めていく、との姿勢は市民に寄り添ったすばらしいものです。一方で、すべての利用者はその施設が必要だから利用しているのです。きっと市民の皆さんは、総論として減らすことには賛成だけれども、各論として自分が利用している施設は無くさないでほしい、とおっしゃるでしょう。それは、議員も同じだと思います。声の大きな人にマネージメントの実施が左右されないためにも、伊丹市にとって必要な施設は何なのか、それがどれくらいの規模であるのかを公平に判断し、一定の方向性を決めていく必要があると思います。計画倒れにならないよう、着実に取り組んでいかれることを要望します。
次に、評価期待する点について申し上げます。
伊丹市の徴税率の高さです。毎年県下1,2位の好成績をあげ、市民の皆さんと職員の皆さんのご努力のたまものだと感じております。市民税は、伊丹市のもっとも大きな財源です。これがなければ市政運営はできません。催促や督促や納税相談の窓口の職員の方々は、大変でしょうが、滞納の方にこそ、納税意欲をもっていただけるよう、対応していただけるものと信じています。
今年オープンする子ども発達支援センターは、阪神間では例を見ない市立の施設です。早期発見早期療育に取り組んでいただいて、発達に支援を要する子どもさんや保護者の方々の支えとなるよう、がんばっていただきたいと思います。
いよいよ中学校給食センターの建設工事が始まります。10年以上前。2万筆を越える署名を集めても理解をしていただけなかったものが、ようやく実現されることとなって、市長や教育長に感謝しております。署名をお寄せくださった方々のお子さんたちには間に合わなくて残念ですが、これからの子どもたちの食育と体作りにきっと役立っていただけるものと信じています。最近問題となっている、異物混入や喫食時間にも配慮いただいて、安全な中学校給食が始まることを願っております。
教育においては、地域・家庭を巻き込んだ取り組みを進められ、学力・体力ともに向上してきていることは、一重に教育現場の先生方や保護者の皆さんのご努力の成果だと思います。今年から始まるコミュニティスクールは、地域と学校がより強い絆で結ばれ、ともに子どもたちの育ちの責任者になることにほかなりません。大人の持つ潜在的な教育力を発揮し、いたずらに学力の向上だけを目指すのではなく、しっかりと体力と精神力をつけることを最重要課題にし、伊丹らしい教育を進めていかれることと期待します。
最後に、すべての事業を実施していかれるのは、職員の皆さんです。正規職員の数も減る一方で、国からの受託事業や市民ニーズは高まる一方です。景気回復の兆しもない中で、職員給与だけが上がったと、ご批判を受けることも有りましょう。それでも、どうか自身と誇りを持って、仕事を進めていただきたいと思います。伊丹市に住み続けたいと思う人が80%を越えるというとが、ほかならぬ職員の皆さんへの評価と賞賛であると思います。全庁あげて、平成28年度もよりよい伊丹市のためにご尽力されることを期待いたします。