厚生労働省の発表では、労働局への相談の中でパワハラが解雇を抜いて、1位になったとの報道がありました。
とあるサイトでは、女性管理職が増えつつある中で、家事・育児に忙しい女性は会社内でのコミュニケ‐ションの場である「飲み会」(ノミニケーション)を避けることが多いために部下との意思疎通が図れない、また、女性同士ということで女性部下にたいする当たりがきつく、それがパワハラにつながる、と分析しています。
なんて書かれると、安倍首相が女性の管理職への登用率を上げよう、と呼びかけても企業が及び腰になりかねません。そういう企業もあるかもしれませんが、もっと他に理由もあるでしょうに、メディアがそれを大きく取り上げることには、不快感を覚えます。
たとえば、大手私鉄調査で、乗客の暴力が急増しているというニュースもありました。理由を聞いても何もない、ただ何かにキレたかっただけ、その多くが酔っ払っていた、そうです。だから、ノミニケーションはダメ、ということをいいたいわけではありません。皆がキレそうになる社会に住んでいるということを言いたいのです。駅員にキレない人は会社でキレているのかもしれません。その一部がパワハラとなって表れてきているのかもしれません。社会や会社がギスギスとして余裕がなくなってきていることが大きな原因ではないかと考えます。
上司と部下、男性と女性、正規と非正規、親会社と子会社、力関係があるところには必ずといってパワハラが起こります。自分がイヤあことをされたり、言われたりしたら、即パワハラ・セクハラというのも問題があります。お互いの関係のなかで、人間として相手を尊重する態度を取ることが重要だと言われていますので、私も気をつけたいと思います。
パワハラが異性間で行われた場合は、セクハラかパワハラか分かりにくくなりますね。
こんな場合は、どっちなんでしょう。
ある会社の社長さん、女性の登用に積極的です。お気に入りいの女性社員を何人も管理職に登用していきます。○○さんは、社長のお気入りなんだ、という噂も聞かれます。可愛がっている女性社員さんを食事に誘います、これノミニケーションですね、素晴らしい社長さんです。でも、だんだんにお食事以上のことを求めるようになり、お断りすると閑職に配置換え。中には、心を病んだ社員さんもいるとか。仕事がらみの強要だから、パワハラ?男女間だからセクハラ?
社長のこの行為を労働局に訴えて、改善されるものなのでしょうか。そもそも訴える人がいるのでしょうか?その会社が大きければ大きいほど、自分がそこを去れば、自分さえ黙っていれば、その会社に汚点がつくことがなくなる、そう考えてしまうのではないでしょうか。大きければ大きいほど、その事実は握りつぶされてしまいます。
訴えるには勇気がいります。特にセクハラの場合、あなたにも気持ちがあったのでしょう、とは調査する側の常套句です。でも、被害は自分だけにとどまりません。次の被害をなくすためにも、きちんと訴える勇気を持ってほしいです。
そういう意味で、パワハラの相談件数の増加、よりよい職場へつながる第一歩なのかもしれませんね。