昨日東京高裁で、昨年の衆議院選挙を「違憲」とする判決が出ましたね。
弁護士グループがおこしている訴訟の、残り15件の判決も今月中に出そ
ろう見通しですが、選挙そのものを無効とする判決が出るかどうかは微妙
な感じらしいです。憲法98条には、憲法に反する法律に基づいて行われた
行為は効力を有しないと定めているので、原則としては無効になると解釈さ
れていますが、現実はそうはいきません。
あまり私たちの生活の中で実感できない一票の格差ですが、こんな風に考えてみました。
来月、伊丹市長選挙があります。この選挙を各小学校区から1人ずつ選出された議員
(今はそんなことはありませんが)が、代理で投票をするとします。
そう、アメリカ大統領選挙みたいに。
伊丹市には17小学校区がありますから、17人の議員が選ばれているとします。
伊丹小学校区の人口は約2万人、それに対して神津小学校区に人口は約6千人。
どちらも1人の議員を出して市長を選ぶとすると、伊丹小学校区の議員の1票は
2万人を代表する1票に対して、神津小学校の1票は6千人を代表する1票となります。
本当なら、伊丹小学校区には3人の割り当てがあることが、1票の平等から言えば、
当然なわけです。
こんなことが行われていたら、当然伊丹小学校区の市民は怒りますよね。
自分の1票が神津小学校区の人の1票よりも軽いのですから。また、
そのような議会だったら、議案の可否を決める時にも、市民の意見が
多数決に正しく反映されないおそれもあります。
一度選挙をやったらやり直しにはお金も費用もかかるし、国会が空転するし、
そもそも違憲状態の国会が何を決めても無効になってしまえば、定数是正の
改正も無効になるということで、なかなか選挙無効の判決が出ないようです。
国民みんなが政治に参加(直接民主主義)できないから、
議員を選んでいる(間接民主主義)のです。だからこそ、一人一人の国民が
政治に参加する権利、一票の価値は、平等に保証されなければならないと思います。
それ以前に、権利を求めるのなら、選挙に行く、という義務も果たさねば。
政治にコミットメントすることが、政治を変えることになり、格差の是正の
一歩になるのですから。
今後の最高裁の判決に期待したいと思います。