昨日の市長の市政方針演説の中で、「認可保育所の待機児童が多数生じている現状の早期解消に最優先で取り組むため、伊丹市立保育所民営化計画(案)の根底を成す民間活用という理念は継承しつつ、同計画(案)に代えて、利用が可能な既存の公共施設等を、認定こども園制度を活用した施設へと計画的に整備してまいります。」というくだりがありました。演説後、担当課に問いただしても「凍結か撤回か」は具体的な返答がなかったのですが、今朝の読売新聞には「公立保育所民営化撤回」とでかでかと記事が掲載されておりました。
財源の縮小のためだけという理由と、当事者に丁寧な説明も理解を求めることもしなかった、民営化計画案が撤回されたことは、喜ばしいことです。年々増える待機児童の解消に民間保育所と認定子ども園を誘致するといいうことは、ベストではないけれど、ベターな解決策であると思います。直接契約であるために、基準や保育料や保育内容に不安を持っていらっしゃる方にも、認可の幼保連携型ならば、現在の認可保育所となんら変わりがないという制度に変わったことで、不安の解消になるのではないかと思います。
そして、何よりも、2万筆以上の署名を集め、粘り強く民営化撤回に向けて取り組んだ、市民団体の努力が、市長に撤回という勇断をさせたことに、心から拍手と感謝の気持をお送りしたいと思います。
同じく、今日、1万5千筆の署名を集め、市長に「新図書館建設中止」を求める市民団体の陳情が市長室でありました。長年にわたって、新図書館の不要と現在の図書館の充実を訴えてきましたが、思いは届かず、昨年から市民団体が建設反対を駅頭などで訴え、わずか2カ月で集めた署名です。
保育所のように、建設を急がなければならないものはさておき、現在あるにもかかわらず、「市庁舎の耐震補強工事のため」「宮の前の活性化のため」「こどもたちの読書活動の向上のため」「経済対策のため」と質問するたびに、ころころ答えが変わる新図書館建設に、いくら国の補助があるからと、28億円も支出することに、1万5千人伊丹市民が反対の声をあげているのです。誰だって、新しくいいものは欲しい。それでも、今のような財政状況で、土地代を合わせて約56億円の費用をかけて、新しい図書館を作る必要はない、と市民による「事業仕分け」を市長に提言したのです。
新年度予算書には、新図書館建設の費用が書かれています。私たちの会派では、代表質問と予算委員会で、引き続き「新図書館建設の非」をついていくつもりです。代表質問は、3月8日(月曜日)午後3時から、林実議員が行います。市長がどのように答えるのか、お時間のある方は、是非傍聴にいらしてください。