伊丹市には「男女共同参画施策市民オンブード」という制度があります。市長から委嘱された3名の市民委員が、市の男女共同参画計画に盛り込まれた事業がそれぞれの担当課でちゃんと実施されているかどうかをチェックする制度です。最近ではオンブードの活動をフォローする6名のオンブードサポーターズも同様に活躍しています。他市に類を見ない制度で、伊丹市は女性施策が進んでいる、とお褒めをいただくこともしばしばです。
先日、オンブードさんとサポーターズさんの合同会議があって、参加させていただく機会を得ました。議題は今年の報告書の内容についてで、伊丹市の男女共同参画施策はさらに充実すべき点はあるものの、おおむね良好であるとのお話を伺いました。
確かに、そのとおりではありますが、最近ちょっと違った雰囲気を感じます。それは、「もう女性は十分に力をつけて、男女平等の社会になった。これからは、特別施策ではなくて、一般施策で対応するべき」というもので、市長さんが時に語る「同等の実力があれば、男女の区別はしない、女性を積極的に登用したい」という言葉がその象徴です。
元気な女性が増えてきたことは事実でしょう。私も議員として男性と差別されることなく仕事をさせてもらっています。しかし、議員の数でみれば、28人中5名が女性。実力がある女性が少ないのではなく、そこに至るには男性と違った高いハードルがあるからなのです。子育て、家庭教育、家事、介護など、家族をめぐるさまざまな役割がまだまだ女性に重くのしかかっています。
潜在的な実力があっても、それを十分に花開かせ発揮できない環境が女性にはあります。行政のボトムアップを図るような施策がこれからも必要だと感じます。それは、男性の生き方を基準とした社会のあり方を見直すことにも繋がります。