7月31日、楽しいはずの夏休みのプールで、えりかちゃんが排水口に吸い込まれてお亡くなりになりました。小さい子どもの肩がひっかかるくらい狭い配水管の中で、えりかちゃんはどんな恐怖と苦しみを味わったのかと思うと、胸がつぶれそうです。ご冥福をお祈りいたします。
ふじみ野市長の記者会見で「管理を委託していたとはいえ、市の施設で・・・・」と言う発言がありました。業務を委託だろうが、指定管理だろうが、市の施設であれば責任は市にあるのか当然です。委託先の再委託(委託の丸投げ)も届出がなく、チェックできていなかったと報道されていました。
2006年4月から大幅に導入された公の施設の指定管理者制度。民間に管理をさせるものですが、施設管理費、人件費などをすべて含めた管理料を民間に支払い、民間はその予算の中で施設の管理運営を行うというものです。委託と違い、差額が出たって清算しない、つまり赤字が出ても市から更に予算はもらえない代わりに余っても返さなくていい、そんなやり方です。この制度の下では、正規職員よりも臨時職員・アルバイト職員のほうが人件費の削減になりますから、施設が一機に臨時職員化します。
一番の問題が、この制度ができてから、公の施設の責任の所在があいまいになっているような気がします。今回のプールの事故がその最悪の例です。急いでこの制度を利用したせいで、十分な教育や研修を積んでいないアルバイト職員が増えていますが、職員採用には、市は責任がありませんから、「委託していたのに」という発言になるのです。私の市でも、市のいくつかの施設で委託や指定管理者制度で市民による運営が行われていますが、市民からもアルバイトとして採用された市民からも、いくつかクレームを聞いています。
民間企業は、信用が企業の生命ですから、事故が起これば全社をあげて責任をとるでしょうし、引責辞任などということも普通にあります。だから、公の仕事を民間が行うことで事故が起こったのではなく、委託の仕方、管理のさせ方に問題があったのです。指定管理者制度を急いで導入したあまり、経験や研修の少ない民間人が、かつての公の仕事についています。民間に委託するときには、安全のこと、個人情報のこと、公の十分な指導と監督が必要でしょう。民間活力を利用するために、お金がかかっても公が監督責任を持つべきだと思います。