8月11日、鹿児島の川内原発が再稼働しました。その日付は、奇しくも東日本大震災の月命日である11日とういのが、いかに国民の命を軽んじているかの証明のようです。
震災直後の夏、その日の予想電力消費が日々ニュースで流れました。突然の停電があるかもしれない、企業向けの電気代が上昇し、商品価格に反映され転嫁できない企業は潰れていく、と脅され続けました。それでも私たちは、なけなしの金で省エネ電気製品に買い替えたり、節電に励んだり、頑張ってきました。度重なる電気代の値上げにも我慢してきました。市民の力で発電所を、と取り組んだ人たちもたくさんいます。原発がすべて止まっても、私たちの生活に電気不足の被害はありませんでした。
なのに、政府は電力会社とぐるになって、この4年5カ月、いかにして原発を再稼働させるかということばかりに取り組んでいたのではないですか。安全といわれた原発が事故を起こし、安全神話は崩壊。事故の原因もまだわからない、事故を起こした原発の廃炉も全く進んでいない、汚染水は垂れ流し、避難した福島の人たちの安住の生活も戻らない、除染も復興も口先だけ、すでにオリンピックにベクトルは向いている。国民の声、福島の人たちの声に耳を傾ければ、原発の再稼働は国民の望んでいる方向ではないと分かりそうなものだけれど、そんな声は政府の耳には届かない。電発ムラの声だけが、聞こえると言う不思議な耳の持ち主ばかり。
原発よりも自然エネルギーを進める、と腹をくくれば、4年5カ月は十分な年月だと思います。原発への補助金を自然エネルギー開発促進に付け替えれば、成果は目に見える形で表れていたでしょう。それをやらずして、CO2の排出量抑制のためには、原発しかない、国内企業のためにはこれ以上の電気料金の値上げは無理、そのために原発の再稼働が必要、そう言い続けてきただけではないですか。
今回の原発再稼働には関係者の誰もが、責任回避をするような発言をしています。
菅義偉官房長官 「再稼働を判断するのは事業者であり、政府は万が一事故が起きた場合に先頭に立って対応する責任がある。安全の一義的責任は許認可取得者(電力会社)にあり、国際的に認められた大原則だ」
安倍晋三首相 「九州電力は安全確保を第一に万全の体制で再起動に取り組んでいただきたい」
鹿児島県知事 「国に最高の責任をもって対応して頂きたい」
原子力規制委員会長 「絶対安全とは申し上げない」
しかし、福島原発事故にあるように、事故後の対応や保証には国民の税金が使われます。被害に遭うのも、国民です。他の発電よりも安いと言われ続けている原発による電気料金には廃炉の費用は含まれていません。廃炉の時期を少しでも先送りしようと、寿命40年を60年まで伸ばそうとしていますが、それでも廃炉の時期はやってきます。その費用は、やはり電気料金に上乗せされて、国民が支払うのです。結局、すべての責任は私たちが負うのです。
川内原発を皮切りになんてさせません。安保法案廃止と同じように、徹底的に反対します。廃炉は電力会社で負担してください。早く、電力が自由化になって、安全な電気を買えるようになって欲しいです。