タイトルを見てびっくりし、伊丹市みどり公園課に電話しないでくださいね。私は昨日、市と県に電話で話を聞きましたので、かいつまんでお伝えします。また、2月15日号広報いたみで詳しくお知らせがあるそうです。
まず、梅輪紋ウィルスとは、モモ・スモモなどのプラム類に感染する植物ウィルスです。1915年にブルガリアで発見されて以来世界中の地域で感染がみられる、植物がかかる病気です。日本では2009年東京都青梅市で初めて確認されたそうです。その葉っぱに触ったり、実を食べても人間には何の影響もありません。
モモやスモモがこの病気にかかると、葉がまだらになったり輪っかのような斑点がでたり、実にも斑点のようなものができて商品価値が下がります。また、実が成熟する前に落下(落果といいます)することもあって、もし果樹園のモモや梅が感染すると収穫に大打撃を与えます。
では、日本ではどのくらい広がっているのでしょうか?今のところ農水省がウィルスの被害を確認し、駆除対象地域を設けているのは次の地域だけです。
東京都:昭島市・あきる野市・青梅市・八王子市・羽村市・福生市・奥多摩町・日の出町
埼玉県:入間市・飯能市
大阪府:池田市・大阪狭山市・堺市・富田林市
兵庫県:尼崎市・伊丹市・川西市・宝塚市・西宮市
平成26年の調査では、伊丹市の感染植物数は調査植物数5,604本中160本で全体の2.9%にあたり、対象地域のワースト・スリーとなっています。兵庫県下では一番感染が広がっています。
広域調査の結果では、東京都の他の地域、三重県、大阪府の他の地域、三田市、和歌山市でも感染が確認されました。
つまり、まだ全国的には広がっていない、感染個体が多い地域から感染が拡大していっている、ということです。なんとか、感染が拡大する前に防ぎたい、ということで感染地域のモモ・スモモ・ウメなどを伐採して焼却するという防御策をとっているのです。兵庫県の隣、岡山県はモモの一大産地。岡山県に広がったら大変なことになります。
県の調査で、緑が丘公園の梅林も駆除の対象になりました。今年度予算での事業なので、「野点と観梅の会」のあとの3月実施予定です。このところの寒さで開花が遅れていますが、最後の晴れ姿を見に行ってあげてください。
昭和57年に完成した緑が丘公園の梅林が、今年限りで見られなくなるのは残念ですが、仕方がありません。伊丹市は苗木の産地です、東野地区から梅やモモの苗が姿を消しています。どれほどの被害があったことか、お気の毒でなりません。
詳しくは、農林水産省および兵庫県のホームページで「輪紋病」と検索して、見てください。