今日は、伊丹市女性児童センターで伊丹市の「男女共同参画施策女性オンブード」の活動報告があるというので、お誘いを受け、聞いてまいりました。
「伊丹市男女共同参画施策市民オンブード」とは、伊丹市が全国で唯一設けている制度です。伊丹市が作った「男女共同参画計画」が、市役所のそれぞれの担当部署で計画通りに進んでいるかを聞き取り調査し、報告書にまとめ、意見を付けて市長に提出する、という役目を担っています。
オンブード経験者やその人たちをサポートするオンブードサポーターズが中心となって、NPO法人あなたらしーくをサポートを結成し、その方々と神戸大学の朴木教授が中心となって今回の報告書にまとめられました。そして、それを、国立女性教育会館(ヌエック)で行われた平成26年度男女共同参画推進フォーラムで発表されたのです。
報告書ではオンブードの特徴を次のようにまとめています。
1.チェックする主体は「市民」である
2.目線や基準は「市民」である
3.オンブードが直接ヒアリングする
4.ヒアリングした結果をオンブード自らが報告書にまとめる(行政がたたき台を作らない)
5.市長や部長級職員を中心とした「本部会」でオンブードが報告する
6.市民にも報告する
7.ヒアリングは職員の学びの場になっている
8.ヒアリングの結果、改善の「要請」はできるが「強制」ではない
9.オンブードに謝礼は出ているが、市と雇用関係にはない
以上のような環境の中で、17年間頑張ってこられた皆さんの感想は、やってよかった、ということでした。行政の事を聞くために勉強をしたり、行政の中身や頑張りがよくわかったり、職員さんと仲良くなれたり、そのほか色々な気づきがあったそうです。
一方で、ヒアリングを受ける職員は、何か荒さがしや指摘をされるのではないかと身構えたり、男女共同参画は自分の部署とは関係がない、数字だけ指摘されても困るといった反応が、最初の頃は見えた。それがだんだんと自分の市のことと受け止めてもらえるようになり、積極的にヒアリングの臨んでくれる人が増えたそうです。
詳しいことは、アップした写真の冊子にありますので、気になる方は伊丹市市民自治部同和・人権推進課男女共同参画担当にお問い合わせください。
こんないい制度を持っていて、頑張っている伊丹市ですが、残念なことに2006年に「男女共同参画課」ができたものの、2011年には「担当」に格下げされています。市民から見れば、取り組みが後退した、と見えても仕方がないことと思われます。
アベ政権も「女性が活躍できる社会」を政策の中心に進めています。男女共同参画に詳しい一部の人だけがあれこれ考えるのではなく、たくさんの人が「男女ともに生きやすい社会」ってどんなものかな、そのためにはどんなことを変えていけばいいのかな、ということに関心を持ってもらうことが大切だと思います。