消費税が8%になって1か月が経とうとしています。買い物のたびに実感する8%の大きさは、誰しもが同じでしょう。
消費税が正しく転嫁されるよう政府では進めていますが、転嫁できないサービス業もあります。自治体などのサービスや病院がこれに当たります。市役所などで使う備品や消耗品、委託料(土木建設事業や管理など)にも当然税金がかかりますから、消費税があがった3%分だけ使える予算が減ることになりますから、市民サービスが削られることも考えられますね。
病院は診療報酬が決められているので、薬剤や医療機器を購入して3%余分に税金を支払ったからと、診療報酬に転嫁できません。病院経営が苦しくなるところも出てくるかもしれません。特に公立病院はどこも赤字経営だと言われますが、地域の医療を支えるためにも新しい医療機器を充実すればするほど消費税の支払いがかさみます。
しかし、支払った消費税が還付される分野があります。輸出にかかわる会社がそれです。
輸出とは品物を海外に売ることですが、その品物は海外で消費されます。だから国内の諸費税の対象にはなりません。しかし、海外で売るものは国内で仕入れますので消費税がかかりますし、備品や消耗品にも消費税はかかります。お商売をされている方はお分かりと思いますが、売上で預かった消費税から仕入れや経費にかかった消費税を引いた差額を消費税として納付します。輸出業者は売上消費税がありませんから、納付する消費税はありません。それどころか、仕入れなどにかかった消費税は全額返してもらえるのです。
この額、2009年度の場合、輸出業者などに支払われた消費税還付金は、3兆3762億円という報告も上がっています。
参考サイト:http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/shouhi/101115-01/101115.html
さらには返してもらう時(還付されるときに)、還付加算金として利子が付いてきます。今年の1月からは年利2%になりましたが、それまでは7.3%でした、さらにはこの加算金(還付金の利子)は銀行預金利子のように課税ではなく非課税扱いです。
円安になって輸出がどんどんと拡大するとこの還付金もどんどんと増えます。だから、輸出大手企業は、消費税があがればあがるほど還付金が増えるのですから、消費税アップはウェルカムなわけですね。
国民みんなが負担している消費税を輸出企業だけ負担しなくてもいいというのは、筋が違いうと思いませんか?