「ことば文化都市」を標榜している伊丹市ですが、それにはわけがあります(きっぱり)。日本三大俳諧コレクションー「洒竹・竹冷文庫(東大図書館・東京)」「綿屋文庫(天理大学図書館・奈良)」「柿衛文庫」-の1つである「柿衛文庫」があるからなのです。俳句とは世界最短の詩形で、17文字の中に宇宙をも表現できる素晴らしい文学であると、私は思っています。俳句は明治時代にその形が確立されましたが、俳諧がその先祖とも言うべきものにあたります。
柿衛文庫には芭蕉、蕪村、上島鬼貫をはじめとした俳諧・俳画・俳句のコレクション6500点と俳諧・俳句に関する書籍3500点を収蔵しています。芭蕉の「古池やかわず飛び込む水の音」の直筆短冊もあります。
そんな凄いコレクションがありながら、「ことば文化都市」といいながら、市民には馴染みが薄い施設であるようで、存在を知る市民も訪れる市民も少ないのが残念です。かくいう私も3回ほどしか行った事がなく、今日初めて芭蕉の直筆の短冊を拝むことができました。
さきほど発表があった「花の俳句大会」の入賞者も市外の方が多くみられました。視察で訪れた松山市には市内のあちこちに投句ポストがありました。お宝を活かして、俳句のまち伊丹を市全体で底あげする仕掛けが必要だと感じました。