伊丹の中心市街地は、かつて郷町とよばれ、酒造りを中心とした街がひろがっていました。そのため、どこを掘っても埋蔵文化財がざくざくと出てきます。先日も白雪の千秋蔵のあった場所の遺跡現地説明会に行ってきました。
JR伊丹駅のすぐ南側に有岡城址跡がありますが、伊丹市はその城を中心に城下町がぐるりと塀に覆われた城郭都市だったそうです。江戸以前の建物が地下から発掘されます。その時代の建物なら資料がありそうにおもうのですが、やはり本物が出るとそこから新たな歴史が書き換えられることもあるという、まさに生きた歴史書が埋蔵文化財なわけです。
今回の跡からは、1800年代の造り酒屋の遺跡と、さらに1600年前後の古い時代の造り酒屋の遺跡がその下から見つかったのが、とても興味深いということでした。古くなった酒屋をつぶしてその上に新しいものを建てる、現在でもよくあることですが、実際に発掘現場で、2つの色の違う土の層を見ると、興味も感慨も新たでした。
最近とみに、このような現地説明会の人気が上がっているということが、ちょっとした驚きでした。私が参加したのは午後の部だったのですが、50人くらいの参加者がいらっいました。しかし、午前中の説明会には、200人もの人出があり、中には奈良県の別の遺跡説明会からハシゴをして参加したつわものもいたそうで、歴史に興味のある人がこんなに多いとは、知りませんでした。団塊の世代の方々がその中心にいらっしゃるそうで、今後歴をテーマとしたイベントや勉強会へのニーズがますます高まるのではないかと思っています。