昨日は、伊丹朝鮮初級学校で「ウリハッキョ」という映画の自主上映会に参加してきました。韓国の監督が、日本で民族教育をおこなっている北海道の「朝鮮初級中級高級学校」の日々をドキュメンタリー風に映画にしたものです。5月にも神戸で上映会があったのですが、所用で参加できず、今回運良く見ることができました。
終戦の混乱の中、もう日本国民ではなくなった、と放置され帰国することができなかった、そして朝鮮戦争で自国の分断というわが身を引き裂かれるような体験をし、帰る場所すらなくなった人々が、日本で自分たちのアイデンティティを忘れないように、と自らの力で学校を建て、運営していった、それを「ウリハッキョ(我が学校)」というのです。
日本に住むことを余儀なくされ、朝鮮人は国へ帰れ、とばかりにまともな職に就ける人も少ないなかで、必死に税金を納め、その一方で自分たちのお金で子どもたちに民族教育を行ってきたのです。ちゃんと税金をおさめていても子どもの教育にたいする補助金は雀の涙ほどにしかならない、もし日本の学校に行ったとしたら(外国籍のままでも)、一人当たり年間100万円近い義務教育費が使われるのに、民族学校の生徒たちには市から(市によってまちまちですが)、10万円前後の補助金しか与えられません。とても厳しい経営の中で、先生たちの給料の支払いは遅れがち。それでも、学校は子どもたちの家、在日朝鮮人の よろどころだからと必死に頑張る姿に、かつての日本の学校の先生の姿を重ねました。
補助金も欲しい、高級学校には高等学校卒業の資格が欲しい、いいえ、そんなものはいらないから、朝鮮人だと差別しないで欲しい。そんな訴えがスクリーンから届いてきました。拉致問題をきっかけに共和国に対する制裁は厳しさを増す一方。日本で生まれ育った2世3世にはその責任もないのに、チマチョゴリは切られ、校門にはペンキがかけられる。外交問題の失敗の腹いせを政府にぶつけないで、隣人にぶつけている。かつては陸続きだった国。多くの文化を学んだ国。そして同じアジア民族。もっと隣人を大切にし、愛したい。彼らの気持ちを大事にしたい。それは、私たちが故郷を思う気持ちと同じだからです。
この映画、各地で自主上映会が開催されています。是非ごらんになってください。伊丹の上映会がもう少し早く連絡があったら、よかったのに、と思いました。
http://urihakkyo.blog105.fc2.com/ 参考までにウリハッキョのブログを貼り付けました。