市内の公立保育所民営化について、伊丹市は「公立保育所の民営化計画に関する懇談会」を市民の意向を汲んで設置し、そこから「民営化は在園児には何のメリットもない、全園民営化は困難」との提言を6月2日に受けました。この6月議会で3人の議員から、公立保育所の民営化はどうするのか、の質問に対しては、提言で指摘された問題点をクリアできるように、具体的な計画をたてて進めていく、民営化で浮いたお金で病後児保育や待機児童の解消に努めると述べました。ある新聞では、提言を全く無視している、懇談会を軽視している、と書かれました。
市長は、「提言は全園実施は無理と言っているが、福祉対策審議会では、具体的検討を進めるべき、という答申をもらっているのだから、懇談会で挙がった問題点を解決しつつ実施していくのだ」という方針を打ち出しました。
しかし、私も福祉対策審議会の委員としてこの問題については、民営化で5億円浮くんだ、多様なニーズに応えなければという当局に対して、『5億円の根拠が無い、民営化の是非をまず問うべき、民営化ありきで審議会に諮問しているのはおかしい、たった2回程度の審議では結論は出ない』と反論しました。委員の要望で審議回数が1回余分にとられたものの、結論は市長が望んだ民営化のGOサインにしかなりませんでした。委員として入っていた議員からも、委員の意見を無視した答申には賛成できない、責任が持てない、の声もありましたが、その声を押し切って「具体的な検討をすすめるべき」の提言が、当時の福祉対策委員長一任でまとめられました。
市長の意のままの審議会、委員の意見を無視した審議会答申、懇談会の提言を無視した民営化の実施。これで市民が主役の伊丹市といえるのでしょうか。議員としての自分の非力を恥じずにはいられません。でも、まだ間に合うはず。子どもにだけ痛みを強いる民営化はストップです。民間保育所のためにも、公立保育所を残さなければならないと考えます。