無言館は、長野県上田市にあります。いつかは行きたい、と思っていましたが、遠いのでなかなか行く機会に恵まれませんでした。今回の展覧会は丹波市、近い!ほどではありませんが、それでも上田市よりは近い。最終日に行ってまいりました。
展覧会のチラシには、こうメッセージがあります。(館主の父親は、作家・故水島勉さんです。)
今年は戦後70年。
私たちは今、あらためて「あの戦争」の意味を問い直す時にきているようです。
(中略)
どの画学生も、出征する直前まで絵筆をはなさず、愛する妻や恋人、敬愛する父や母、可愛がっていた妹、幼い頃あそんだ故郷の山河を描いて戦地に発ってゆきました。
ここにあるのは、かれらの生命と才能を奪った戦争のもつ不条理さ、悲惨さの記録であるだけでなく、そんな時代下にあってもけっして「絵を描くこと」への情熱を失わなかった若者たちの、忘れてはならない「生の証」であると思います。
(後略)
戦没画学生慰霊美術館「無言館」
館主 窪島誠一郎
上田市の無言館に展示されている作品の主は、92人とか。素晴らしい才能をもった画家の命が失われ、その才能が世に開花することは無かった。もし、彼らが生きていたら、日本の画壇はどう変わったのか。日本の芸術界は、日本の社会は、どれくらい豊かになっていたのか。想像するだけで、残念でなりません。
それは、画学生に限ったことではありません。作家を志した若者、音楽家を志した若者、政治家を志した若者、親孝行をしようと志した若者、たくさんの若者の命が奪われた。日本だけでなく、アジアの各地で、奪ってきたことも事実です。
戦争には、若い男性が駆り出されました。未来ある若者たちの命と引き換えにしたものは、再び戦争をするような日本では無かったはず。日本の若者の命が奪われなければ、それでいいのではなく、世界中のどこにおいても、戦争で人の命がたやすく奪われることがあってはなりません。
今、整備が急がれている安保法制、日本のみならず世界中から戦争の惨禍を無くそう、という気持ちで反対しなければ、という思いを強くしました。