三船美佳さんと高橋ジョージさんの離婚が芸能ニュースを賑わしています。その理由が「モラハラ」だとか。
モラハラとは、モラルハラスメントの略で、(自分なりの)道徳観を振りかざして相手を押さえつけようとするもので、精神的な暴力と言われます。
夫婦間では、DVと言われるものがあります。DVには、身体的な暴力、言葉による暴力、生活費を渡さない、行動を制限する、セックスを強要する、などいろいろなパターンがあります。
このニュースを聞いた時、これはDVだな、と思いましたが、世間一般にはモラハラだとされています。では、DVとモラハラとどう違うのでしょうか?
普通にDVと聞いた場合にはまず、暴力が一番に思い浮かびます。殴る、蹴る、首を絞めるなどなど。しかし、DVの多くは、身体的な暴力に加えて、「誰に喰わせてもらってるんだ」とか「生きている資格がない」とか「お前のためにこんなことをしなければならないんだ」などという言葉の暴力も伴います。そして、DVには、DVのサイクルというものがあって、暴力を振るった後には、別人のように優しくなって殴ったことなどを謝罪し、お前の事を愛しているからだと言います。暴力を振るわれた当時者は、自分が悪かったのだ、私しか相手を理解してあげられない、愛されているから、と逃げることをしなくなります。
今回のおふたりの間には身体的な暴力が無かったようですから、「精神的な暴力」として「モラハラ」としたのではないでしょうか?
DVは、主に夫婦間、恋人間に起きるものですが、モラハラは上司と部下、親と子、夫婦などなど、力関係が生じる場面に発生します。
私は、このお二人の間には、DVがあったと思います。それを、メディアが「モラハラ」とすることで、加害者の責任をことさら軽くしているような気がします。
年の離れた女性と結婚する話を聞くと、源氏物語の「紫の上」を思い出します。光源氏が、彼女の美しさゆえに誘拐し、自分の好みの女性に育て上げて妻にする、というもの。女性とて人間、年齢が進むにつれ育っていくもの、それが自分の好みとは違うことだってあるはず。「ありのまま」の彼女を受け入れずに、自分の価値観だけを押しつける、それは「愛」ではなく、「支配」でしかないと思います。