今年は、12月26日が金曜日となったために、行政、病院などの公的な機関の窓口が年末年始9日間のお休みとなっています。この時期一番心配なのが、こどもの病気でしょう。幸いなことに、伊丹市には「こども急病センター」が今年の4月にオープンして、こどもを持つ保護者に安心を与えてくれています。
この年末年始、急病センターでは4診体制で保護者からのニーズに応えようと頑張っています。小児救急を断る病院が増える中で、十分な対応ができるのか、お話を伺ってきました。
4月のオープン以来、平均平日夜間で26.5人、日・祝日で163人の利用者があり、その95%が救急を要しない患者であったとのことです。また、7月から始まった電話相談では、利用者の約半数が自宅で様子をみることにした、と自宅にいながらにして無料で安心な医療指導を受けられ好評だそうです。
9日間という長いお休みですから、かかりつけ医も休みのところが多く、センターだけが頼りとなります。急病の時のためのセンターですから、利用していただくことが何よりです。しかし、かかり方にもひと工夫あると、子どもちゃんもセンターも助かります。まず、119番で救急車を呼ばないで、電話相談に電話をします。番号は 072-770-9981(救急ハイ!)です。急病センターでも患者さんがいっぱいで、行っても待ち時間がかなり長くなります。救急車で運ばれても、トリアージ(重症度・緊急度判定)の結果、順番が後になることもあります。それだけで子どもちゃんに負担になります。また、調子が悪いと感じたら、昼間に受診する方が暗い寒い中を出かけるより親子共に安心でしょう。
核家族化が進み、アドバイスをしてくれる人がいない家庭では、不安でいっぱいだと思います。救急受診を控えてと言いたいわけではありません。ただ、日本全国で叫ばれている小児救急病院の閉鎖が、病院・医師サイドの責任だけではないということが、現場の話をうかがってわかりました。救急車をタクシー代わりに使う、空いているから・親の都合でと夜間救急を安易に利用する。医師は患者を診るのが仕事ですが、医師が続けられなくなるような救急利用の現状があるのも事実です。患者が人間なら医師も人間であるということを忘れてはいけないと思います。医師や病院を社会資源と考えて、みんなでうまく活用して、枯渇させてしまわないようにしていくことが、医療の充実に繋がるのだと考えます。