最近、京都に行く用事が度々あり、京都市営地下鉄を利用しています。車内の京都市の宙吊り広告のあちこちに「5月は憲法月間です」という文字があります。単に憲法月間とあるだけだから、もっといい憲法に変えよう、というメッセージを受け取る人もいるかもしれませんが、憲法をめぐる動きが喧しい中、私としては、このようなメッセージを広告に書く誠実さに感心してみています。
憲法月間だからなのか、国会では憲法に基づいて整備された法律が次々に変えられていっています。憲法を変えるための「国民投票法」もあっという間に成立してしまいました。この法案をめぐる街頭インタビューでは、「国民が国のいろいろなことに意見が言える制度は素晴らしい」なんて答えている人がいて、びっくりしました。国民投票は、憲法改正に限定されているのに、それすら知らされていない。自分の意見を言いたかったら、代弁してくれる議員を選ぶ選挙にもっと積極的になってもいいはずなのに、投票率は50%以下。先日のフランス大統領選挙は80%を超えていました。このくらいの水準が保たれれば、最低投票率の規定がなくてもよさそうだけど、それすらない法律とは、これまた怖い。憲法改悪は国民の良心に問いたい、国民を信じればいい、という意見もあります。確かにそうかもしれないけど、今、この時期に、もっと解決するべき問題が山積であるにもかかわらず、税金を湯水のように使って強行するものではないでしょう。
まもなく参議院選挙があります。郵政民営化選挙のように、憲法改正是非を問題にするのではなく、国民の生活を無視し、憲法遵守すら果たせない今の政権が是なのか否なのか、そこを考えたいと思います。