7月8日、昼前のニュース速報で、
安倍元首相が参院選の遊説中に銃撃され心肺停止状態、
という情報が飛び込んできました。
その後、スマホのネットニュースを刻々チェックし、
昭恵夫人が到着してすぐに死亡されたことを知りました。
死亡が報道されるや否や、
安倍氏の政治家としての偉業をたたえるニュースが頻出。
こんな素晴らしい政治家を失ったことは、日本にとって損失だと報じられました。
不満のある人を暴力で排除する、
ましてや殺して亡き者にすることは、全く許されることではありません。
ただ、今回の銃撃が政治的な意図が無い、と言っているにもかかわらず、
政治的だという報道のなんと多いことか。
安倍氏の襲撃死が日本の民主主義の破壊だと言う、
そうなのだろうか?
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言った安倍氏。
遊説中「反安倍」のプラカードを掲げる市民を
警察が排除したのは、安倍氏に対する警察の忖度ではなかったか。
安倍氏は素晴らしい民主政治を行ったのか?
私の中で、安倍氏の死を悼む反面、
違和感が広がっていきました。
死人に口なしと言います。
桜を見る会もモリカケ問題も解決しないまま亡くなられ、
アベノミクスやアベノマスクの検証もきっと
やらず終いになるのでしょう。
そんなことを思っていたら、
小出さんのブログのメッセージが流れてきました。
私だけでは無かったのだ、と思いました。
その文章を引用させていただきます。
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2022年7月9日
「アベさんに対する銃撃について思うこと」 小出 裕章
アベさんが銃撃を受けて死んだ。
悲しくはない。
アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる5人に入る人だった。
アベさんがやったことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認めた戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘
れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。
彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった。
アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だ
った。
朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入した。
彼は息をするかのように嘘をついた。
森友学園、加計学園、桜を観る会、アベノマスク…
彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネでもあるかのように使い放題にした。
それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れ
た。
その中で、自死を強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。
私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。
私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺していい命も、殺されていい命も、一つとして存
在していないと公言してきた。
アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思ったが、殺していいとは思っていなかった。
悪行についての責任を取らせることができないまま彼が殺されてしまったことをむしろ残念に思う。
多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその意見に与しない。
すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。
歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。
そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている人がいるとすれば、それこそ不思議である。
国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら奪った。
民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙区制を敷き、どんなに低投票率であっても、
選挙に勝てば後は好き放題。
国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内にばらまいた。
原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで無駄にしたか考えるだけでもばかばかしい。
日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている時に安全だと言って認可された。
もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。
その福島原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除
できないまま被害者たちが苦難にあえいでいる。
それでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人と
して責任を取らない。
もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は国の責任を認めないし、東京電力の会長・社
長以下 の責任も認めない。
どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということをフクシマ事故から学んだ彼らはこれからもま
た原子力を推進すると言っている。
さらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国にしようとする。
愚かな国民には愚かな政府。
それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。
しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつの日か爆発する。
今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。
でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する意見には私は与さない。
心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、アベさんが可哀想とかいう意見が反映されてしまわないかとい
うことだ。
さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法、共謀罪などが今まで以上に強化され、この国がますます非民主主義
的で息苦しい国にされてしまうのではないかと私は危惧する。