今朝の新聞、テレビでは、伊丹市消防本部の救急車が重態の患者をのせたまま、現場に1時間停車。搬送先の病院でお亡くなりになった、とのニュースが大きく取り上げられていました。
お亡くなりになった方、きっとお仕事の帰りだったのですね。心からご冥福をお祈りいたします。
今回の不幸な事故の原因は、救急病院の不在にあります。阪神間170万人をかかえる地域で、3次救急受け入れ病院は1箇所しかないそうです。以前受け入れをしてくださっていた病院も、救急医師の退職などで受け入れができなくなっているとのこと。夜間でもひっきりなしに運ばれてくる救急患者の数の多さと、一瞬の判断ミスが人の命を左右し訴訟となる可能性の高さなどで、疲労困憊している医師が多いと聞きます。一方で、患者の元に急行しても、受け入れ先の無さに、患者を目の前にして焦る救急隊員のせつなさも、(自分も体験しましたので、すごく良くわかります)痛いほどわかります。そして、一刻も早く救って欲しいという患者さんや周りの方々の願いもわかります。どこか一箇所が頑張ったところで、限界があります。医療に対する国の姿勢が変わらなければ、この事態は改善されません。定額給付金をばら撒く以前に、国が取り組まなければならないことは、このようなところにあるのではないでしょうか。