週末は、2月とは思えない、というか異常な暖かさで、木々の芽吹きがあちこちに見られました。
これは、もくれん?猫柳のような銀色のつぼみがふっくら。もうちょっと寝ていたいのに、もう春なの、と語りかけています。
この時期になると、気になるのがスギ花粉の飛散量。アレルギーをもつ私は、4月までティッシュが手放せなくなります。今や国民病にもなった花粉症。つらいですよね、ほんとに。
伊丹から車で少し走ると、紀伊山地や中国山地にスギ林がたくさん見られます。この季節、山が茶色く見えるのは、スギの花の蕾。これが開くと、花粉が山から黄色い煙のように湧き上がってきます。蕾を見ただけでも、目が痒くなるような気がします。
嫌われものになってしまったスギですが、戦後荒れた山に植林されました。出荷する頃になって、海外から安い木材が輸入されたこと、木を切り出す人件費が高くなって、コストが合わなくなったこと、木材に従事する人がいなくなってしまったことなどの理由で、スギは切り出されずにぐんぐん育ち、花粉を撒き散らす悪者とされてしまったわけです。
一方で、日本の需要に応えるために、東南アジアの山林は無計画に切り出されて禿山となっているそうです。禿山は水を保つことができなくなり、洪水の原因にもなります。
農作物についても同じようなことが起こっています。海外から安い野菜や小麦が入ってきたことで、米の消費が減り、国策として減反を進めました。放置された田んぼは荒れ、農業では生計が維持できないから農業に携わる若者が激減しました。その結果、日本の食糧自給率は40%にまで下がり、私たちの食事は海外に依存することになって、食の安全も保証されなくなりました。
私たちは、自分や目先の利害だけを考えるのではなく、世界(地球全体)や50年・100年先の日本のことを考えて生活する必要があると思います。政府は、私たちの生活の基礎を支える第1次産業にもっと力を注ぐべきだと考えます。
実施が怪しくなっている定額給付金の2兆円(伊丹市全体では、約30億円+事務費約1億円)を、農業・林業の保護と振興に使うのはいかがでしょう。