以前の書き込みからずいぶんと時間が経ってしまって、間延び感がありますが、ちょっとまとめて書きます。
救急車が到着しても、受け入れ病院がなかなか決まらないことが多くあります。私の家族の場合でも、既往症がありかかりつけクリニックはありましたが、救急外科ではないので受け入れは無理、というところからスタートしました。市内の公立病院に連絡をしたら無理、市内の民間病院も無理、市外の大病院も一度はNOの返事。けが人と家族を目の前にしての救急隊員の焦りようは気の毒ではありますが、こちらはこちらで気が気ではありませんでした。再度の電話でやっと市外の病院に搬送が決まりました。
到着してからがまた大変。脳のCT,体のCTに約3時間近くかかりました。命に別状がないとわかってから、「この患者さんは昨年ここの病院にかかっていますが、治療費を滞納しているのでこれ以上の治療はできません。治療は必要ですか?滞納分を支払うと確約しますか?」と尋ねられました。エッ、そんなこと今言われても初めて聞くことだし、診療費の未納を理由に治療しないなんてここはERの世界?今すぐ支払いますから、治療を続けてください、とお願いしました。命に別状はなかったものの両足骨折が判明し手術が必要だということもわかりましたが、その病院は、ここはそんな簡単な治療はしないので、自宅近くの医院にかかってください、と入院を拒否。到着から6時間後、松葉杖を購入してやっと自宅に連れ帰りました。
翌日、市内の公立病院に尋ねると、やはり骨折くらいでは入院させないのはどこも同じらしく、「とりあえず診ましょう、入院は結果次第で」と言ってもらいました。結果は、単純な骨折ではあるけれど、両足なので2~3ヶ月は入院するほうがいいでしょう、と現在入院中です。
最近、救急車をタクシー代わりに使う人が増え、重篤なケースが受けられなくなる、と病院側はいいます。確かにそうなのですが、いざ当事者になってみると、だからって引き受けてもらえないのは納得がいきません。税金を投入している公立病院ならなおさらのこと、市民の安心を保障してもらわなければなりません。利用する側も考えを新たにしなければなりませんし、病院の体制も何とかしなければならないと思います。
公立病院の医師不足が叫ばれています。特に産科・小児科・脳外科の医師が少なくなっています。手術や治療のリスクが高い、レアなケースにめぐり合うことが少なく、技術の向上にならない、安い賃金、タイトなローテーションなどいろいろ理由が挙げられています。今の状況が続けば、人気のある大病院のある町に住む人は良質な医療が受けられ、地方では入院したくてもできない、という医療格差が生まれてきているのは大きな問題です。