企業が派遣に頼る理由に、即戦力のある人材、というのがあります。
すぐに使える人を派遣してもらえれば、自前で育成するより時間もお金もかかりません。必要な事業に必要なだけ使えば、余分なストックを抱える必要がありません。
かつて、若者の労働力が「金のたまご」と言われた時代は、若者を地方から集団で雇用し、自前で高校を卒業させ会社の技術を教え、会社の方針や精神を叩き込む。会社が人材を育成してきました。今となってはその利点や弊害はいろいろといわれていますが、会社にとって社員が財産であったのです。
今人材育成に力を入れているのは、人材派遣会社です。就職希望者や大学新卒者、出産育児などで仕事を中断した女性の再就職に、さまざまなメニューを格安で提供し、一人でも多くの人を仕事につなげています。派遣会社にとって、登録している労働者は商品です。より高い付加価値をつけた魅力的な商品を持つことが、企業の利益につながりますから。
ドラッカーの言葉に、「企業にとって人材は力なり」というのがあります。
これは、自信の会社で優秀な人材を育成するのが会社の力となるのか、それとも、その時々に優秀な人材を確保するのが会社の力となるのか、どちらなんでしょうか?